真に夫婦愛の完成した場合には、すべての苦痛は互いに半分ずつ分けて担い合うから半減され、すべての喜悦は二人で共に楽しむから、二倍の幸福として味わわれるわけとなるのである。『人生計画の立て方』本多静六/著より抜粋。
以下の紹介内容は、すべて下記より引用しています。
【参考】
『人生計画の立て方』
本多静六/著 実業之日本社
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要するに、結婚は、愛情と対手の専有欲から生まれた恋愛が漸次発展して、それを結合せしめることにより、一応その目的を達しめるものであって、ここに恋愛はおのずから解消し、その代わりに新しい夫婦愛といったものが生じてくる。すなわち、この夫婦愛への発展によって、恋愛も結婚も初めて完成されるわけである。
夫婦愛の完成とは、異体同心――二つの異なった人格から、新たに一個の人格を作り上げることを意味する。したがって、真の夫婦は二人であって、もはや二人ではない。完全に一人でなければならぬ。良人とか妻とかいう区別はなく、両者を合わせて一つである。喧嘩もなければ、嫉妬もない。良人が外で働くことは、妻自体が働くことであり、妻が家で働くことは、同じく良人自身が働くことでもある。良人が会社事務に精出すことは、すなわち妻が会社事務に精出すことであり、妻が家庭裁縫にいそしむことは、すなわち、良人が家庭裁縫にいそしむことだといえるのである。また良人が誘惑にかかるのは妻が誘惑にかかるのであり、妻の失策は良人の失策として悲しまなければならぬのである。
これが本当の夫婦、真の夫婦愛というものであって。さらにそれが完成されれば、良人が外を眺めれば妻も眺め、妻がほほえめば良人もほほえみ、良人がうたえば妻もうたい、妻が欲しいものは良人もほしいというほどになろう。またお互いにどれほど働いても苦しいと思わなくなり、お互いのためには身命をなげうっても構わなくなる。かような状態に至り得た夫婦の間には、少しの秘密も介在せず、心身一切を解放してお互いに任せきりになり、全我をすてて対手におのおの専有し得るゆえんであって、決して銘々の犠牲でもなければ、損失でもない。のみならず、真に夫婦愛の完成した場合には、すべての苦痛は互いに半分ずつ分けて担い合うから半減され、すべての喜悦は二人で共に楽しむから、二倍の幸福として味わわれるわけとなるのである。
もっとも、世上往々、実際上には、夫婦という夫婦のすべてが、このようにうまくいくことは難しい。知識、教養、趣味、娯楽、仕事などで、あまりにも大きなへだたりがあって、真に異体同心となりえない場合がはるかに多い。普通一般の夫婦というものが大概そうである。
しからば、この場合どうしたらいいのか。それは改めて出発へ戻って、お互いが、少なくともその一方がまず、おのれの我をすてて全身命を対手に捧げさえすればよろしい。従来の日本的道徳にしたがえば、差し当たり女子に対してこの決意が要求されるようであるが、私はやはりそれでよろしいと考える。やがては両者の完全なる一体をめざしての努力なのであるから、良人のためはつまり妻のためで、その間、前にも述べた通り、どこにも犠牲とか損失とかは存在しないのである。ともかく、二人にして一人であるお互いが、こうして相倚(よ)り相援(たす)けていくようになれば、あらゆる欠点支障は抹消され、ついには完全な異体同心夫婦愛が完成されるに至るのである。
しかし、これは理想的でなかった結婚の事後対策であって、できることならば、結婚の対手方――あるいは結婚に先立つ恋愛の対手方――は、同じような知識、同じような教養、同じような趣味、嗜好の上に立つ範囲内で選び、しかも相互に完全な理解を事前にもち合うに超したことはないのである。
そこで私は、人生計画確立のうちで、最も重要性をおびる配偶者選定の問題について、ここにとくに詳言しておきたいと思う。
以上の紹介内容は、すべて下記より引用しています。
【参考】
『人生計画の立て方』
本多静六/著 実業之日本社
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http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/997715/www.town.shobu.saitama.jp/honda/sasshi/
小学生向け顕彰冊子『日本の公園の父 本多静六』を発刊
町では、子供たちにも、本多博士の功績や処世訓などについて広く知ってもらうため、小学校高学年向け顕彰冊子『日本の公園の父 本多静六』を発刊しました。この冊子は、本多静六博士顕彰事業実行委員会が編集に当たったほか、町内各小学校の国語の先生などの協力をいただき、小学校5、6年生のレベルに合せた内容となっています。各小学校では、学習資料として有効に利用してもらうことになっています。
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0001/news/page/150313-08.html
日本の森林(もり)を育てた人 学習まんが本多静六博士(ほんだせいろくはくし)物語
平成25年秋に本県で開催された第37回全国育樹祭を機に盛り上がった「みどりを守り育てる」気運を継承させる目的で、本多静六博士の様々な功績を興味深く、わかりやすく紹介した「日本の森林もり を育てた人 学習まんが本多静六ほんだせいろく 博士はくし
物語」を発刊します。県内の全小中学校や公立図書館などに無償で配布し、学校教材などとして活用してもらうことにより、森林を守り育てることの大切さの一層の普及啓発を図ります。
「夫婦が一つになる」という表現は、20年以上前に読んだ本にも書かれていました。詳しくはコチラ>