「多元」とは構成要素が複数あることです。これは一元(根本要素は一つ)や二元(対照的な要素が2つ)と比較した表現と言えます。例えば、宗教多元主義、文化多元主義、多元的な価値観、多元的な人間関係、多元的な現代社会などの表現で使用されます。現代社会やグローバルな時代という文脈での「多元」は、多様性を肯定・容認する意味合いで使われることが多いようです。
2022年3月23日 inner-wish
以下の紹介内容は、すべて下記より抜粋・引用しています。
『宗教多元主義を学ぶ人のために』
【参考】
『宗教多元主義を学ぶ人のために』
出版社 : 出版社 : 世界思想社
編集:間瀬啓充
著者:若林裕『宗教多元主義の持つ仮説性』 の部より引用
画像は編集して作成しました。
小見出しは掲載されている見出しと、内容から作成した見出しを使用しました。
文章はすべて本文の一部を抜粋・引用しています。
宗教や哲学、思想などを学ぶとき、「一元論」、「二元論」などといった表現に出会う。そこで言われる「元」は「要素」にあたる。つまり一元論とは、「物事の根本要素は一つ」ということを意味する。たとえば、「神によって世界は造られ、保たれている」といった一つの原理をもって物事のおおもとを説明するのが、一元論なのである。
二元論は、一つの対象を二つの構成要素で説明する仕方である。「世界は光と闇によって成り立つ」、「人間の心は善と悪によって構成されている」というように、構成要素である二者は、たいていの場合、相互に対照的ないしは正反対の原理であることが多い。
さらに「多元論」は、一つの事柄に対して「多く」の、つまり複数の構成要素を見る考え方である。なお、この「多元論」あるいは「多元主義」という言葉は、宗教多元主義だけではなく、ほかにもいくつかの使用例が見られる。たとえば、「文化」という語と合成された文化多元論、文化多元主義という言葉、さらに価値多元主義、福祉多元主義、政治的多元主義などがある。
また、「多元的な〜」という良い方もされる。例をあげると、「現代人は多元的な人間関係を有する」、「多元的な価値観を認める社会こそ本当に強い社会である」、「多元的な現代社会を認識し、いかにすれば現代社会の抱える諸問題を速やかに解決できるだろうか」といった表現を、大学のシラバスなどで目にするのではないだろうか。ここで着目したいのは、こういった用例からも理解できるように、総じて〈現代〉という「今のグローバル時代」、また「現代の社会」を論ずる文脈において、「多元」は頻出するのである。さらに、この「多元」をもって、そこにある多様性をそのまま容認し肯定しようと願う契機が、多くの場合、その表現の背後に働いているように思われる。
以上の紹介内容は、すべて下記より抜粋・引用しています。
『宗教多元主義を学ぶ人のために』
【参考】
『宗教多元主義を学ぶ人のために』
出版社 : 出版社 : 世界思想社
編集:間瀬啓充
著者:若林裕『宗教多元主義の持つ仮説性』 の部より引用
画像は編集して作成しました。
小見出しは掲載されている見出しと、内容から作成した見出しを使用しました。
文章はすべて本文の一部を抜粋・引用しています。
たげん【多元】
根元が多くあること。多くの要素があること。↔︎一元。
ーてき【多元的】
考えや事物のもととなる立場・要素が多くあるさま。↔︎一元的。
ーろん【多元論】
世界が唯一の原理から成り立つと考える一元論に対して、相互に独立した二つ以上の根本的な原理や要素によって世界を捉える立場。二元論もその一。→一元論・二元論。
【引用】大辞林(三省堂)
多様性による視野の拡大は役立ちます。多様性を取り入れることで視野が広がり盲点が減るからです。多様性による視野拡大について『多様性の科学』マシュー・サイド (著)より紹介しています。
今のような時代に哲学と宗教の流れを学ぶことは役に立ちます。今、哲学と宗教の流れを学ぶ理由について『哲学と宗教全史』出口治明氏 (著)より紹介しています。