スケープゴートを作らない

更新日:2017/11/29 公開日:2017/11/29

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スケープゴートを作らない【日常生活の変容2】
スケープゴートを作らない【日常生活の変容2】

スケープゴートを作らない

 

集団になると誰かをスケープゴートにして平気な人々も、一人一人は心優しく思いやりある人のはず。スケープゴートの因果を巡らせないためには、悪い流れを止めることが大切です。

 



スケープゴートとは

 

スケープゴートとは、「身代わり」「生贄(いけにえ)」などの意味を持つ言葉で、「 贖罪(しょくざい)の山羊」等と訳されます。

 

不満や憎悪を解消したり、責任の収拾を図る時に、それらの不満、憎悪、責任を転嫁された対象をスケープゴートといいます。弱い立場の人間をスケープゴートとして排除して、支持や統合を図る場合もあります。

 

人は無意識の内に不満や不快を覚えると、不快感や憤り・怨恨・憎悪・非難の感情などを他者に対して抱くことがありますが、そうした不快感を押し付けられた個人は、その特定の集団内においてスケープゴートとなります。

 


集団がスケープゴートを作る

 

学校や会社またはSNSなど、あらゆる集団で、人々は無意識のうちにスケープゴートを作っています。それが顕著な場合は、いじめやパワハラとして表面化しますが、そうでない場合は、集団メンバーのストレス解消として水面下でスケープゴートが利用されます。

 

集団の中で、ストレス、不快感・不満・非難・怒り・憤りが高まると、誰かをターゲットにして、そのストレスや感情の吐け口に利用するのです。本来なら一人一人のメンバーが対処する必要のあるストレスやネガティブな感情を、そのまま誰か特定の個人に背負わせてしまいます。

 

また、苦手なこと、出来ないこと、気づかれたくないことなど自分達にとって不利なことに目をむけさせないために、他人の弱点を強調することで、その相手をスケープゴート(身代わり)として利用する場合もあります。

 

これは無意識に行われているため、集団のメンバーが罪悪感を持つことはありません。しかし、スケープゴートにされた個人は酷いダメージを受けます。ネガティブなイメージを集団から押しつけられ、ありのままの生き方ができなくなります。

 


スケープゴートに気づく

 

本人がスケープゴートにされていることや、ターゲットにされていることに気づくこと、または誰かがスケープゴートやターゲットにされていることに気づくことが大切です。

 

もし気づいた場合には、本人の場合、すぐにその役割を降りる必要があります。またスケープゴートをつくっている集団メンバーの場合は、そのような「他人を犠牲にする在り方」をやめる必要があります。また、集団にやめさせるよう声がけしていくことも大切です。

 

このようなスケープゴートやターゲットをつくることが習慣になっている集団は、誰かを犠牲にすることでしか成り立たない非常に不健全な集団です。まずは、気づいて変わる必要があります。

 


スケープゴートの因果は巡る

 

 

誰かをスケープゴートにしたり、ターゲットにするようなことを続けていると、その役割は必ず自分や自分の大切な誰かに巡ってきます。それはその集団で巡ってこなくても、今後の人生や転生後に巡ってくるのです。なぜなら、「誰かを犠牲にする」という種を蒔いてしまっているからです。

 

ですから、自他の不幸の種を蒔かないためにも、スケープゴートはつくらないことが賢明です。自分が誰かをスケープゴートにしないだけでなく、誰かがスケープゴートになっていたら、気付いてそのような役割が解消されるよう働きかける必要があります。

 

スケープゴートの因果を巡らせないためには、悪い流れを止めることが大切です。

 


一人一人が責任を持つ

 

 

スケープゴートやターゲットをつくらないということは、ネガティブな何かを他の誰かに投影しないということです。

 

ストレス、不快感・不満・非難・怒り・憤りは、誰かを吐け口にするのではなく自分の問題として解消する。また苦手なこと、出来ないこと、気づかれたくないことなどを、他人の弱点でカバーするのではなく、自分が引き受けて少しづつ改善する。

 

誰か一人に責任を押し付けることなく、一人一人が責任を持つなど、できることはあります。

 


スケープゴートにならない

 

もし、スケープゴートにされたり、ターゲットにされていると気づいた場合には、その役割を引き受けてはいけません。

 

自分自身をスケープゴートにすることは、他人をスケープゴートにすることと同じです。自分さえ我慢すれば、という気持ちは他人がスケープゴートにされても我慢しなさいということになります。

 

スケープゴートやターゲットになるのをやめて、自分の長所と短所をきちんと認識し直し、改める点は改め、ネガティブさを強調したイメージを払拭して、ありのままの自然な自分として、その後も成長していくことが大切です。

 


人々は残酷である しかし人は優しい

 

『人々は残酷である しかし人は優しい』

 

これは、アジア人初のノーベル文学賞を受賞したインドの思想家・詩人ラビンドラナート・タゴールの言葉です。「一人一人は心優しい人間も、集団になると残酷なことを平気でしてしまう」という人間の心理を言い表しています。

 

このように集団になると、誰かをスケープゴートやターゲットにして平気で犠牲にしてしまう残酷な人々も、一人一人は心優しく思いやりある人のはずです。

 

ですから、もし自分が誰かをスケープゴートやターゲットにしていると気づいたならば、一人の人間に立ち返り、相手と一対一で向かい合う気持ちになり、心優しく思いやりある存在になることが大切ではないかと思います。

 

たとえ、酷い人で許せない人であったとしても、集団で残酷な仕打ちをするのではなく、一人の人間と一人の人間として心の中で対面する方が、いいように思います。

 

2017年11月29日 inner-wish

 


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