感情は文化に育まれる
感情は文化に育まれる

感情は文化に育まれる

 

『情動はこうしてつくられる──脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』リサ・フェルドマン・バレット (著)より、感情(情動=Emotions)は文化に育まれることに関連する部分を紹介しています。

 

 


以降の紹介内容は、すべて下記より抜粋・引用しています。

【参考】

『情動はこうしてつくられる──脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』

リサ・フェルドマン・バレット (著)

高橋 洋 (翻訳)

出版社: 紀伊國屋書店 (2019/10/31)

 

画像はフリー素材を編集して作成しました。

小見出しは内容から作成しました。

 



◆情動は概念の共有によるもの


◆情動概念の数

 

多くの文化のもとで、数百、場合によっては数千の情動概念を持つ人々と遭遇することがある。彼らは情動粒度がとてもきめ細かい。たとえば英語を母語とする人なら、怒り、悲しみ、怖れ、幸福、驚き、やましさ、驚嘆、恥、思いやり、嫌悪、畏怖、興奮、誇り、きまりの悪さ、感謝、侮蔑、憧れ、喜び、欲望、歓喜、愛情などに対応する概念を持つ。また「腹立たしさ」「苛立ち」「フラストレーション」「敵意」「激怒」「不機嫌」などの関連用語に対応する概念も持つ。

 

 

古典的理論の最後の主たる前提は、「生得的で普遍的な情動があり、健康的な人なら世界のどこに住んでいようと、それを示したり認識したりできる」というものだ。それに対して構成主義的情動理論は、「情動は生得的なものではない。普遍的であるのなら、それは概念の共有によってである」と主張する。つまり普遍的なのは、欧米の概念の「悲しみ」から、英語には正確に対応する言葉がないオランダ語の概念Gezellig(友人と一緒にいることで心地よさを感じること)に至るまで、身体由来の感覚刺激を意味あるものにする、概念を形作る能力である。

 


◆情動を経験するためには情動概念が必要

 

「情動を経験したり知覚したりするためには、情動概念が必要とされる」という、本書でもっとも斬新な考えの一つを導く。それは必要条件なのである。「怖れ」の概念がなければ、怖れを経験することはできない。また、「悲しみ」の概念がなければ、他者の悲しみを知覚することはできない。必要な概念を学習したり、概念結合によってその場で構築したりすることは可能だが、脳は該当する概念を作り出し、それを用いて予測する能力を備えていなければならない。さもなければ、該当する情動に対して経験盲に陥るだろう。

 


◆情動概念は育まれる

 

私たちが自然に経験し、生まれつきのものかのように感じられる情動は、私たちの両親の世代や、祖父母の世代も同様に経験してきた可能性が高い。「怖れ」「怒り」「幸福」などの情動概念は、世代間で受け継がれる。この受け渡しは、遺伝子の受容のみではなく、それを通して次世代の人々の脳が一定のあり方で配線されることにも依拠する。乳児は、自文化の慣習や価値観を学習するにつれ、無数の概念を育んでいく。この過程は、脳の発達、言語の発達、社会化など、さまざまな呼び方で知られている。

 


◆情動概念の文化差

 

科学者は、英語にはない情動概念が世界中に存在することを報告している。他文化の情動概念には、英語への翻訳が不可能に思える信じられないほど複雑なものもあるが、それを母語とする人々は、ごく自然に経験している。「幸福」「悲しみ」「怖れ」「怒り」「嫌悪」「驚き」などの言葉にしたところで、その点に何ら変わりはない。言葉の発明は、社会的現実の定義そのものである。各言語は、情動やその他の心的事象、色、身体部位、方角、時間、空間関係、因果関係など、さまざまな経験を独自の方法で記述する。

 


◆文化を通じて自分の脳を発達させる遺伝子

 

人類の適応のうちで特質すべき側面の一つは、脳の配線のためにあらゆる遺伝的物質を受け渡す必要がないことである。そんな方法では、生物学的に高くつく。その代わり人類は、他者の脳に囲まれた状況のもとで、文化を通じて自分の脳を発達させる遺伝子を持っている。個々の脳が、類似性と差異性に基づいて情報を圧縮し、冗長性を巧みに利用するように、複数の脳は、(同じ文化のもとで暮らし、同じ概念を学ぶという)社会的な冗長性を利用し配線し合う。実のところ、進化は文化を介してその効率をあげてきたのであり、また私たちは、脳の配線を介して子孫に文化を受け渡している。

 


◆新たな情動概念を獲得する方法

 

もっとも手っ取り早く概念を習得する方法は、おそらく新たな言葉を学ぶことである。したがって、語彙の粒度がきめ細かくなればなるほど、脳は予測するにあたり、それだけ正確に身体予算を身体のニーズに合わせられるようになる。事実、きめ細かな情動粒度を示す人は、医者や薬の世話になることが少ない。

 


以上の紹介内容は、すべて下記より抜粋・引用しています。

【参考】

『情動はこうしてつくられる──脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』

リサ・フェルドマン・バレット (著)

高橋 洋 (翻訳)

出版社: 紀伊國屋書店 (2019/10/31)

 

画像はフリー素材を編集して作成しました。

小見出しは内容から作成しました。

 



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