Compassion【自己変容の道4】
Compassion【自己変容の道4】

Compassion

 

Compassion(コンパッション:日本語では一般的に「慈悲」「思いやり」などと訳される)について、ジョアン・ハリファックス博士の著書『Compassion』より引用しています。

 


以下の紹介内容は、すべて下記より抜粋・引用しています。

Compassion(コンパッション)―状況にのみこまれずに、本当に必要な変容を導く、「共にいる」力

【参考】

『Compassion(コンパッション)』

―状況にのみこまれずに、本当に必要な変容を導く、「共にいる」力

ジョアン・ハリファックス (著)

一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート(監修)

海野 桂 (訳)

出版社:英治出版 (2020/4/6)

 

画像はフリー素材を使用して編集しています。

 

小見出しは掲載されている見出しを使用しました。

文章はすべて本文の一部を抜粋・引用しています。



日本語版序文より抜粋

 

コンパッションを育む方法を解明した本書の著者、ジョアン・ハリファックス博士は、世界的に著名な人類学者、社会活動家であると同時に、禅の僧侶でもあります。

 

『コンパッションとは、日本語では一般的に「慈悲」「思いやり」などと訳されることが多い言葉です。当時の私もそれ以上のイメージを持っていませんでした。彼女は「コンパッションとは、自分であろうと他者であろうと、その悩みや苦しみを深く理解し、そこから解放されるよう役立とうとする純粋な思いである」と力強く述べました。さらに端的に言えば、自分自身や相手と「共にいる力」であると。そして本当に役立つには、ときには厳しくNoと言い、役立たない手助けや助言は控え、ときにはただ見守るしかできないことを受け入れることでもあると、本書のようなストーリーを交えて話してくれたのです。』

 

(一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティチュート 理事 木蔵シャフェ君子)

 


5つのエッジ・ステート

長年の経験を経て、私はコンパッションと勇気に満ちた人生の秘訣として、内面や人間関係における5つの資質があることに気づきました。

 

それなくしては、人の役に立つこともできないし、生きていくことも不可能です。けれども、この貴重な資質は、質が低下すると、害となる危険な景色となって現れてきます。この表裏となる二面性を持つ資質をエッジ・ステートと私は呼んでいます。

 

エッジ・ステートとは、利他性・共感・誠実・敬意・関与の五つの資質です。いずれも思いやり、結びつき、美徳、強さを実践するための心の財産です。しかし、これらの資質は切り立った崖(エッジ)のようになっていて、私たちは足場を失って、そこから苦しみの泥沼に滑り落ちてしまうこともあります。そうすると、混沌とした窮地に陥り、エッジ・ステートの有害な面にとらわれることになるのです。

 

利他性は、病的な利他性と化す可能性があります。他者のために役立とうとする無私の行為は、社会や自然界が健全であるために不可欠です。しかしときには、一見したところ利他的な行為が、自らを傷つけ、役に立とうとしている相手を傷つけ、従事している組織を損ねてしまう場合があります。

 

共感は、共感疲労と化す可能性があります。他者の苦しみを感じとることができるとき、共感が相手との垣根を取り払い、役立ちたいという想いの原動力となり、私たちの世界観を拡げてくれます。しかし、相手の苦しみをあまりに深く受け止め、その苦しみと一体化しすぎてしまうと、自らも傷ついて動けなくなってしまう恐れがあります。

 

誠実とは、しっかりした倫理や道徳的指針を持っていることです。しかし、誠実さや正義感、善意に反する行為に関わったり、目にしたりすると、道徳的苦しみが結果としてあらわれます。

 

敬意は、命あるものやものごとを尊重することです。自分が自分の価値観や礼節に背いたとき、また、他の人や自分自身を蔑視したとき、敬意が軽蔑という有害な沼の中に消え去る恐れもあります。

 

仕事への関与、とりわけ人を支援する仕事に従事することは、人生の目的と意味をもたらしてくれます。しかし、過労、有害な職場環境、仕事の効果があらわれないことによる無力感があるところで関与し続けると、燃え尽き、ひいては身体的にも精神的にも倒れてしまいかねません。

 


広い視野

 

崖の上、すなわち利他性、共感、誠実、敬意、関与の良い面に立つときは、しっかりと地に足をつけて、踏みはずしたらどうなるか十分に認識しているはずです。この認識が、自らの価値観に則って行動しようという決意と、誤りは犯しやすいものだという謙虚さの両方を強固にしてくれます。

 

それでもつまづいて落ちてしまったら、あるいは地面が足元から崩れてしまったら、崖の上に戻る方法を何とかして見つけねばなりません。崖の上は、バランスと重力で安定して立つことができ、四方に広がる展望を望める場所なのです。

 

理想的には、崖から落ちない術を学べれば良いのですが。人生の旅というものは現実に翻弄されるので、遅かれ早かれ、踏みはずす人がほとんどです。大切なのは、その経験とどう関わるか、いかに転落を変容の機会として活かすか、それが重要です。

 

崖と向き合い、境界領域を広げ、多様な生態系としてさまざまなエッジ・ステートが交錯する中でバランスをとる能力を呼び起こせば、この上なく豊かな経験を得られるでしょう。崖の縁は、勇気と自由を見出せる場所です。他者の苦悩や痛みに触れること、自らの困難にぶつかることが、苦しみと正面から向き合うきっかけとなり、そこから学びを得られます。

 

そして広い視野と回復力が養われると同時に、コンパッションという贈りものにも恵まれるでしょう。

 

ある意味、エッジ・ステートは、ものごとをいかに見るか、それ次第であるとも言えます。私たちが経験する利他性、共感、誠実、敬意、関与と、その負の側面に対する、新しい見方や解釈の方法を問うものなのです。広く包括的で相互関係を踏まえた見方を培って、この優れた五つの資質を捉えていけば、崖の縁に立っているのか、崖から滑り落ちそうな危険な状態にあるのか、崖を踏みはずしたのか、認識できるようになります。そして、私たちの最善の状態である崖の上に戻る方法も習得できるのです。

 

崖の上で私たちが見出せるのは、受容的な見方を育む方法です。それは、人生の大きな困難の渦中で、心や思考がどのように作用するのかに気づける力を培うことによって、私たちの内に生じる視点です。

 

そして、永続するものはないこと、ものごとは相互に関連していること、存在の無根拠性(相互関係性によってものごとは発生するが、それ自体には実態的な性質はないこと)という真実が見えてきます。

 

視野が広がる機会はいたるところにあります。開かれた視野のおかげで、目の前にある崖の縁、眼下の沼地が見え、自らの内なる空間や周囲との距離がわかります。そして、苦しみが偉大な師であることに気づくのです。

 


科学とコンパッション

 

生物学的なしくみに深く根差すものであれ、良心から生じるものであれ(つまり、本能的であれ、意図的であれ、社会的に規定されて生まれるものであれ)、コンパッションはその受け手に幸福をもたらすうえに、コンパッションある行為をした当人にも有益だと、科学的な研究で示されています。それだけでなく、コンパッションの行為を目撃しただけの人も恩恵を受けます。コンパッションは、与える者、受ける者、目にする者、いずれの立場でも、人の心に奥深く影響を与える経験なのです。

 

コンパッションは、身体的な健康状態も向上させると言われています。コンパッションに基づく社会的結びつきが強いと、炎症の抑制、免疫機能の保持、病からの速やかな回復が認められ、長寿につながることは、研究者のジュリアン・ホルトーランスタッドらによる、数多くの研究を統合したメタ分析によって示されています。

 

コンパッションを抱くと、狭くちっぽけな自己を超えて視野が広くなるため、憂鬱感や不安も抑えられるようです。研究者のエマ・スパーラ博士はこう述べています。「調査によると、憂うつや不安は、自分に焦点を当てた状態です。『私に、私自身、私は』と自分のことで頭がいっぱいです。しかし、誰かのために何かをするときは、自分に焦点を当てた状態から、他者に焦点を当てた状態へと切り替わるのです。」

 


以上の紹介内容は、すべて下記より抜粋・引用しています。

Compassion(コンパッション)―状況にのみこまれずに、本当に必要な変容を導く、「共にいる」力

【参考】

『Compassion(コンパッション)』

―状況にのみこまれずに、本当に必要な変容を導く、「共にいる」力

ジョアン・ハリファックス (著)

一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート(監修)

海野 桂 (訳)

出版社:英治出版 (2020/4/6)

 

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小見出しは掲載されている見出しを使用しました。

文章はすべて本文の一部を抜粋・引用しています。



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