日常生活を調和するためには、不調和や上手くいっていないことを強調して嘆くよりも、これから新しい在り方で調和する分野に愛・調和・平和を注ぐよう意識することが役立ちます。
日常生活の中で調和している分野は、特に何も感じないか、あるいは幸せを感じていることが多いものです。しかし、不調和な分野は、気がかりだったり、落ち着かなかったり、幸せではないように感じてしまうことがあります。
成長や変化の過程では、調和と不調和を繰り返すため、途中で不調和を感じることが多くなります。変化中の不調和は、新しい在り方に変容する時なのですが、これを不安定に感じて落ち着かなくなるのです。
上手く行ってないように感じる分野は、何か今までと異なる新しい在り方を模索中の場合が多く、新しい調和へ向かう前の不調和な状態と言えます。
日常生活を見直す時、バランスをとる必要があります。つまり以下のような点を考慮して、バランスよく評価する必要があるのです。
幸福感と生活評価の違いについて、ノーベル経済学賞受賞者のダニエル・カーネマンは次のように説明しています。
「実際に生活をしているときに経験する幸福感」と「自分の生活を評価して下す総合的な判断」は別物であり、「長期的に関心を持ち続ける経験が、本来より低く評価されることになる」。
つまり、日常生活の中では様々な幸せを経験をしているのですが、自分の長期的な目標や理想と比較する場合、「幸せではない」と評価しがちであるいうことです。
人生の中で、長期の目標や理想など長期ヴィジョンを育てる時には、不調和な状態を繰り返し感じながら成長・変化していくことになります。不調和な状態を新たな在り方に調和してくプロセスが続くのです。
また人生においては、あらゆる変化や転機があります。それらは日常生活にも影響があります。人生の変化に対応して日常生活を変化させていく必要があるのです。そのような変化の時にも不調和を感じる期間があります。
このように長い人生の中で、変化しない完成した状態というものはありません。あらゆる分野で調和と不調和を繰り返しながら、成長・変容し続けます。
ですから、不調和な分野や、上手くいっていない分野については、これから調和した新たな在り方に変化する、育てている分野と評価することが役立ちます。「上手くいってない」「不幸だ」「不調和だ」という点を強調するのではなく、「これから調和する分野」と見るようにするのです。
意識変容のプロセスには、新しい意識状態を、様々な分野で調和する過程が含まれます。例えば高次意識と、これまでの意識を調和したり、異なる意識間の葛藤を調和したりします。
また、新しい意識や、調和しつつある意識で、これまでの日常生活を変容していくことになります。新たに調和した見方・考え方・感じ方で、日常のさまざまな分野を生きることになるのです。
このように変容プロセスの過程では、不調和を感じることはごく自然なことと言えます。ですから不調和を感じたとしても、調和する分野が順に増えていく途中であるという見方が役立ちます。
日常生活を調和するために役立つのは、これから調和する不調和な分野に、愛・調和・平和を注ぐことです。
「愛・調和・平和」を心がけることは、意識状態を引き上げることにつながります。そのため、日常生活と意識変容の両面で調和が進みやすくなるのです。また「愛・調和・平和」は、長期ヴィジョンを育てる上で、不調和を調和する養分のように効果があります。
日常生活を調和するためには、不調和や上手くいっていないことを強調して嘆くよりも、これから新しい在り方で調和する分野に愛・調和・平和を注ぐよう意識することが役立ちます。
2022年10月19日公開 inner-wish
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